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アサギロ 7巻のあらすじ
大雨の中「一の男」と対峙する沖田。
互角の力でなかなか勝負がつかなかったが、ようやく沖田が「一の男」を追い詰めた。
が、沖田がまさに「一の男」を殺そうとした瞬間、山南が現れて「近藤先生がその男を殺すなと言っている」と告げた。
試衛館に連れ込まれた「一の男」は「山口一(はじめ)」と名乗り、なぜか両親や兄弟に疎まれて人斬りに身を落とした身の上話を近藤に話した。
同情した近藤は試衛館に誘うが、自分に傷つけられた近藤が自分を許すとは信じられず、「自分を殺さなかったことを後悔するぞ」と言い残して逃げてしまう。
後日。
講武所の剣術教授方の役目内定を取り消された近藤は、自分の進むべき道を見失って自室で書を読み漁って閉じこもる。
ますます廃れていく試衛館。
山南や新八らがそれぞれ小金稼ぎで食いつないで半年も過ぎたころ、ようやく近藤は書よりも現実の世界に道を探すことが重要と気が付くのだった。
アサギロ 最新刊8巻ネタバレ
時は少しさかのぼった水戸。
幕府大老、井伊直弼を暗殺して天下に名の知れた水戸天狗党は、今、崩壊の危機にあった。
天狗党の主要人物である下村継次は、その末期的症状を見かねて自分の仲間である天狗党の3人を惨殺。
その罪で水戸藩から斬首の刑を言い渡され、藩内の牢獄に1年以上も捕らわれていた。
この世に思い残すことがなくひたすら死ぬことを望み牢の中で大人しくしていた下村だったが、幕府政治の変革で恩赦が告げられる。
2年弱ぶりに外の世界に出る下村。
迎えに来た仲間に「あるはずのない生を受けたので、この世の地獄を生きてやる」と宣言し、「芹沢鴨」と名を改めて江戸に向かうのだった。
その江戸では、攘夷集団「虎尾の会」の清川八郎が、幕府と朝廷を相手に大博打を仕掛けようとしていた。
清川は「急務三策」と名付けた建白書を作り、江戸に散らばる浪士たちを集めて「将軍上洛のための警護集団」そして京に着いてからは「攘夷のため、朝廷を守るための警護集団」を組織しようと画策していたのだった。
開国派の幕府を憎む「虎尾の会」の連中は将軍の警護を推進する清川の計画を「裏切り」と非難する。
が、幕閣ながら「虎尾の会」にも関わりのある山岡鉄舟は、その建白書を講武所教授方の松平上総介に手渡して幕府の反応を見ることにした。
後日。
意外なことに幕府はその計画にのり、北辰一刀流玄武館、神道無念流練兵館などの江戸中の主要な剣術道場に「浪士募集」の知らせがもたらされた。
しかし江戸の弱小道場である試衛館には当然その募集情報は届かない。
情勢不穏な世間とは関係なく、相変わらず貧乏ながらのんびりしていた試衛館だったが、ある日、清川八郎、当人が現れた。
そして近藤に直接「浪士組」の趣旨を説明することになる。
曰く「浪士組は、将軍様をお守りして、京都の治安を守ることで天子様にもお仕えする」。
「己の進む道」を模索していた近藤は、「幕府や朝廷にお仕えする」というその話に大いに乗り気になり浪士組参加を決めた。
そして試衛館の門弟たちも、それぞれの思惑はありながら、近藤について京に上ることにするのだった。
沖田は浪士組参加にあたり大師匠の近藤周斎から「沖田総司」という名前を贈られ、少年期を脱して大人の道を進み始める。
文久三年二月四日、幕府肝入りの「浪士組」が正式に発足する日。
江戸小石川伝通院に大勢の浪人たちが集まった。
皆、どこかで浪士組の話を聞きつけ、給金や恩赦の恩恵にあずかろうとする輩達だった。
予想以上に集まった人数に驚いた幕閣たちは、「一人給金十両」という条件に納得した234人の浪士たちを雇うことに決める。
試衛館の連中も晴れて浪士隊の一員になることが決まった。
数日後。
近藤をはじめとする試衛館の連中は、旅装束で再び伝通院に集合した。
しかし集まった人々の姿は「浪士組」とは名ばかりで、中にはやくざ者も交じる烏合の集団なのは一目瞭然だった。
それでも一応の組割りが行われ、沖田や山南などは皆一緒に六番隊に振り分けられていた。
近藤は道場主という立場もあり、宿割りを担当する役職に任じられた。
が、井上源三郎のみ三番隊に行けといわれる。とりあえず班長に挨拶しようと、三番隊の連中の集まるところに向かう源三郎。
そこでであったのは「芹沢鴨」と名乗る不遜な態度の男。
いきなり「お前を俺の家来にしてやる」と言われ、源三郎は戸惑った。
何はともあれ、一応の形の整った「浪士組」。
234人の集団とそれを率いる幕閣たちが、京を目指して江戸の町を歩いていく。
それを物珍しそうに見る江戸の町の人々。
そんな注目を浴びながら歩く沖田は心の中で「行ってきます」とつぶやいた。
近藤や沖田に新しい道が、今、開けたのだった。
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アサギロ 最新刊8巻の感想
「江戸編終了」といった感のある8巻です。
何年も模索し続けた「己の進むべき道」を近藤さんが、やっと見つけます。
そしてそれについていく試衛館の人々。
ようやくよく知られている新選組の歴史が始まりました。
もっとも近藤さんが浪士組参加を決めた時、門弟の一人一人に選択の自由を与えられるわけですが、新八はその性格を示すように「京に上って暴れてやろうぜ!」と素直に大乗り気です。
が、「試衛館一門全員が京に上る訳にはいかない。でも近藤先生が登られるなら私も行く。この命は近藤先生に預けてある」とメラメラと覚悟を示す源三郎。
「天然理心流が北辰一刀流や神道無念流のへっぽこ剣術と違うというところを見せつける」と気を吐く沖田。
「ここにいたってやることはない。暇つぶしにいい」とそっけなく言う土方さんなど、それぞれの個性が出ている試衛館門弟たちの決意表明(?)に思わずクスリと笑ってしまいます。
新八は「素直に【行く】って言えねえのか、この連中は」とため息をついていますが、一人一人が個性的(?)かつひねくれた性格(?)なのが新選組の魅力ですよね。
そして新選組で一番のひねくれ者になる「芹沢鴨」もいよいよ登場です。
憎たらしいほど不遜な態度で、それに味を加える「もみあげ」が特徴的なヒラマツ版芹沢は、いかにも何かしでかしそうな風貌になっていますよ。
これからの「京都編」、大変楽しみです。
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