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21話のネタバレ
最新話の感想
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21話のネタバレ

ある夏休み明けの午後のことり

線路にうつろとして立っている高校生。扇言は思わず助けようとして、飛び出します。それを見て灰仁も飛び出して来たようです。

折り重なる三人。

「あの…………何なんすか…」「おっ…俺は、通りすがりの怪我人なんで…」

肋骨を折っている灰仁は息も絶え絶えに答えてふらりといなくなってしまいます。

他校の校章を付けた男子高生は「…それで…一体、何なんすか。

引き止めた…つもりなら…」

(こういう時、先生なら何と声をかけるのでしょう)

「あ、あの、みっ道に迷ってしまって…！」美味しいたい焼き屋はないかと尋ねる扇言。案内を頼むと男子高生は応じてくれます。そんな扇言を陰から見守る灰仁。

「わりーな、JK」

「有働淳人くん…ですか」扇言と同級生らしいです。バイトがきついらしく、今日は一年振りの休みだったそうです。

(364連勤)と青ざめる扇言。

有働は金髪にピアスという出で立ちですが、たまたま失敗されただけでヤンキーではないそうです。私で良ければ話を聞くという扇言。

「どうせ死ぬなら、恥ずかしいことも遠慮することも何もないですよ」

「うち片親で兄弟多い貧乏で、俺がバイトで何とか支えてるって感じなんですけど、友達づきあいも金かかるわ、勉強も疎かにできないわ、バイトマネージャーは高校生だからって低賃金で鬼シフト組むわで、心身共に疲弊しまして…。トドメは友達に失敗されたこの頭に対する妹の『まだら金パツ、きも』俺の中で何かが壊れました。はは、もう疲れたよ、パトラッシュ。

そんなこんなで…なんかもう俺、何のために生きてるのか、分かんなくなって、気がついたら…」

「でも、人間ってそんなに器用に生きられる人ばかりじゃないと思いますよ。
私もそうですから」

たい焼き屋の前についた二人。たい焼き屋の店長から、みこっちゃんと話しかけられてしまいます。

「えっ、あの…確か道に迷ったって…」「…本当に道忘れてました。今思い出しました」

かつての灰仁を思い出す扇言。にっこりと笑います。

「何で…引き止めたんすか…放っといてくれてもよかったのに。
それともただの偽善ですか」

「…別に死にたいなら死ねばいいです。ただ、その前に何か一つやってからじゃもったいないと思ったので。

経験を語っているだけですよ」

「何か一つって、扇言さんは何を…？」

「私ーーーー私は、恋をしています。
誰にも言えない秘密の恋です」

それってっと聞き出そうとしようとしますが、有働の携帯が鳴ります。バイト先からヘルプが入った模様。行くことにした有働。去り際に「…あの……どうも…っす」

とお礼を言って向かいました。