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忍恋 漫画12話のネタバレ
杏子を手放すという紗々女の条件を断り、楓と紗々女の結婚が破談になります。
出前のように気軽に次を探せという楓に福村は苦言をていします。
「御堂家は楓様亡き後、御子が成長するまでの間、華山院家の後ろ盾を任せられる唯一の一族なのです」
「家同士で決めた政略結婚を今更、個人の意向でなしになど」
福村は時間がないから自分が紗々女を説得すると言います。
それこそ時間の無駄だと楓は言います。
「私が生きている内に条件の良い女性を連れてくることだね」
「生きている間は頑張るけど、死んだ後の事は知らないよ」
側で2人の話を聞いていた杏子が言います。
「大丈夫だ」
「楓は死なない」
それを聞いた楓は優しい表情を浮かべ、杏子を見ます。
楓は予定があるので杏子に1人で学校に行くように言います。
それを側で聞いていた兎守は楓に尋ねます。
「楓様、なぜ杏子を学校に行かせるのですか？」
「杏子が里に帰らなくても生きていけるようにしたくてね」
それを聞いた兎守はそれだけかと言い、話を続けます。
「あなたは杏子に執着する反面、遠ざけたがっているように見えます」
それを聞いた楓は目を閉じ、頬杖をつきながら言います。
「私は後どれくらい生きるのだろうね」 「生まれた時から死ぬ準備をされてきた私にとって、この人生は仮の宿」 「近々、お暇する他人の家のようなものだ」 「それなら荷物は軽い方がいい」
「杏子は可愛いけどさよならすることが決まっている他人の家の子だ」
話をしながら楓は胸騒ぎを感じています。
杏子は学校で楓に追い払われたと落ち込みます。
落ち込んでいる杏子に涼花は今流行っているハッピーうさぎを見せます。
「ぬいぐるみのお守りなのよ」
そのぬいぐるみを見た杏子は自分にも作れるか涼花に聞きます。
杏子は自分が側にいられないのならば、自分の代わりになるものをと考えます。
杏子が帰宅すると楓は出かけるところでした。 一緒に行くという杏子に楓は留守番するように言います。
そう言う楓に杏子は杏子そっくりのお守り人形を渡します。
「お守りだ」 「私の代わりに楓を守る、これで楓も大丈夫だ」
「いってらっしゃい」
楓は車の中で杏子人形を見つめながら、今朝の会話を思い出します。
「…あんなに真っ直ぐな目で死なないと断言されたのは初めてだ」
切なそうな表情を浮かべ呟きます。
（杏子といると忘れそうになる）
（私が逝かなくてはならないということを）
走行している車に岩が落ちてきます。
楓は5歳の時のことを回想します。
「ねぇ乱蔵、僕は死ぬの？」
幼い楓の言葉に乱蔵は慌ててから言います。
「あなたは一時だけこの汚れた世界を見に下界へ降りてきたのです」 「死ぬというのは元のきれいな世界にお帰りになるということ、だから大丈夫です」
「怖いことではありません」
（じゃあここは僕の世界じゃないんだね）
車に岩が落ち、車は潰れて楓は血を流しながら回想から戻ります。
「…あれ？」
「お暇するの今日だった？」
潰れた車から救助しょうと人が集まる中、楓は意識を失いそうになりながら思い馳せます。
（もう…動きなくもない）
逝こうとする楓を幻の杏子が引き止めます。
（楓！どこへ行くんだ、ここはお前の世界だぞ）
（私の隣に座れ、ほら見て、楓の好きな秋の空だよ）
幻の杏子にそう言われて、楓は目を開けます。
そして手を伸ばし、杏子人形を掴みながら思います。
（そうだね、杏子）
（君がそばにいれば、僕は生きていられる気がする）
助け出された楓は全治2ヵ月の怪我を負い、病院のベッドにいました。
杏子は楓に大丈夫が詰め寄り、お守りが効かなかったと謝ります。
「…効いたよ」
「あんな酷い事故に遭ったのに命に別状はなかったのだから」
楓はお礼を言いながら、杏子は何度も自分を救ってくれたと思います。
そして杏子の側で空を見上げながら、逝けたら最高だと考えたところで話は終わり、次話に続きます。
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紗々女との結婚が破談になり、次を探すことになりました。
楓は自分が生きている内に良い条件の女性をみつけるようにいいます。
楓も福村も普通に楓が死ぬことを前提に話をしています。
杏子がそんな2人に楓は死なないと真っ直ぐに言う場面が好きです。
楓が今の人生は仮の宿だと語っている部分がとても切ないです。
生まれた時から死ぬことが決まっている楓には仮の人生、お暇する他人の家と思わないと生きていけなかったのだと思いました。
死ぬことを当たり前に受け止め、心を失わずに自身を保っているのはすごいと思いますが切なく感じます。
5歳の時点で楓は自分の死の呪いを知っていました。
私ならばきっと自身の死の呪いを受け入れられず、それに耐えて成長することは出来なかったと思います。
ここまで頑張って生きている楓はすごいと思います。
楓が事故に遭い、もう逝こうとしますが杏子が止めます。
杏子はいつでも楓を支えているのだと思いました。
楓は杏子の側で星空を見ながら逝くのは最高だと考えています。
もしそんな状況になったとしても杏子は楓を守ることが出来ず、ずっと悔やむのではないかなと思いました。
これから楓と杏子がこれから死の呪いとどのように向き合っていくのかますます楽しみです。
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