神戸山口組幹部「怒髪天を衝く」〝ネット〟座談会 | イエロージャーナル

 なぜ、山口組は分裂してしまったのだろうか……。  こんな疑問を提示すれば、多くの方が「そんなことも知らないのか!?」と驚愕されるかもしれない。  確かに分裂について解説する記事は、相当な数となっている。その全てにファクトと信憑性があるのだろう。だが、それでも、もう一度、同じ疑問を繰り返したい。なぜ山口組は2つに割れたのか──?  何よりも山口組こそ、数こそが正義と信じて疑わなかった組織だったのではないか。『完本カリスマ 中内功とダイエーの「戦後」』(佐野眞一・ちくま文庫)でも「戦後、神戸から出て大きくなったのはダイエーと山口組」という文言が登場する。共に規模の拡大に執着し、だからこそ「神戸から出たが、神戸らしくない」と評された2大組織だ。その姿勢が戦後日本の「成長こそが美徳」を体現していたのではないか。  分裂すれば、最終的には「神戸山口組」だろうと「本家(?)山口組」だろうと、数という貴重な〝市場占有率〟を失ってしまう。これは文字通り自分で自分の首を絞めているだけではないか……。  暴力団に関心などなくとも、組織論として山口組分裂の今後に興味を持つビジネスパーソンも多いに違いない。〝国策〟でNTTが東と西に分けられるのは仕方ないにせよ、今のトヨタが「東日本トヨタ」と「西日本トヨタ」に分割したなら、「正気の沙汰か!?」と誰もが腰を抜かすだろう。  必要なのは、冷静な解説記事ではないのではないか──そう考えた我々は、複数の神戸山口組の幹部に取材を行った。  その内容を、そのまま皆さんにお届けしたい。片方の主張だけを記事化するのはフェアな報道ではないという意見もあるだろう。しかし「なぜ分裂したのか」という問題を考えるなら、何よりもまず神戸山口組サイドに「なぜ山口組から割って出たんですか」と質問するところから取材は始まるはずだ。  持っていき場のない怒りを押し殺していたのだろうか。幹部たちは我々の前で咆哮した。

 取材記者が苦笑して「デスメタル」と評したインタビューは、たとえヤクザ者、反社会的勢力の構成員というダニ以下の存在であったとしても、紛れもない「魂の叫び」だったのだろう。彼らが吠えた分裂の原因は金でも利権でもなかった。どこまでいっても泥臭い、強烈な人間関係のまっただ中に存在していた。