2015年夏、日本全国民が──いや、やはり特に男性が、と限定させてもらおう──震えあがった事件が発生した。 ご記憶の方も多いはずだ。ある男が、男性弁護士の局部をハサミで切り落としてしまい、その〝竿〟部分をトイレで流してしまったのだ。 凶行に及んだのは元プロボクサーで元慶応大法科大学院生の小番一騎被告(25)。被害者はアメリカニューヨーク州の弁護士資格も取得した42歳のエリート男性弁護士。8月に傷害容疑で逮捕されると多くのメディアが報じ、「平成の阿部定事件」や「チン切り事件」などと呼ぶ社もあった。 初公判は10月28日。ところが弁護側が検察の冒頭陳述に対して「被害者弁護士と、小番被告の妻とのやりとりが詳細すぎて不相当」と主張。結果、検察官の読みあげが中止となる波乱の幕開けとなっていた。 そして11月26日の第2回公判では、検察が〝修正〟した冒頭陳述書を朗読。事件の背後に泥沼の愛憎劇が繰り広げられていたことを明かした。 検察側は、小番被告の妻が夫を裏切ったことを白日の下にさらし、「愛妻の嘘」に翻弄された夫の哀しき現実が事件の発端だったことを、法廷で描ききった。 弁護士事務所でのセックス、カラオケボックスでのコスプレ、ラブホのフェラチオ、4万円のプレゼント……エスカレートする情事。その意外な終焉と破滅。自己の存在が運命の秤にかけられ、復讐の鬼と化した夫。そして、スペインの闘牛士が言う〝La hora de la verdad〟──真実の瞬間──で発した言葉……。 私たちが入手した冒頭陳述書要旨には、その全てがある。
前代未聞の事件全貌を「全編ノーカット」でお送りする。