なんだか号泣した海街diary、作者は昔バナナフィッシュで一世を風靡した吉田秋み先生。
地味だけど良作で第11回文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞、2013年漫画大賞を、受賞しただけのことはある。
映画化もされ、豪華キャストでとても見ごたえありました。でもあまりにも原作が良くて、映画関係者はプレッシャーだったことでしょう。
この作品ではバナナフィッシュみたいな美形のギャングスターも出てこなければ、謎の麻薬も出てこない。
出てくるのは、地に足つけて4人で助け合って鎌倉でけなげに暮らしている4人姉妹だけです。味のある古民家住まい。まあ、地味な物語です。
(そのうち末っ子のすずちゃんは母親違いで、いわば姉たちにとっては、自分たちの父親を奪った敵の娘です。戦国時代だったら、殺しあう関係だよね。
やはり作品全体を通してストーリーの原動力になるのはこの4女。
(演じたのも、同名の広瀬すずさん
物語は、浮気して三姉妹を捨てて家出した父親の葬式の案内が届くところから始まります。
彼女らは、父親の遺体が待つ山形にいくことに鳴ります。
そこで、腹違いの末の妹、すずに出会う三姉妹。
それ以前にすずの母親も死んでいて、今は三番目の奥さんと心通わない状態で同居していることが判明します。
すずは、表面上ものすごくしっかりしているのですが、実はストレスと孤独をバケツいっぱい抱えている。
とにかく、義母がとっても無責任なのです。父の介護とか葬式の喪主の役割とか、すずに押し付ける馬鹿野郎
長女のさちは、そんな破裂しそうな妹の状態を、なんとなく推察します。
姉たちはすずに、死んだ父親が好きだったところを、案内させる。なんとそこは、姉妹が暮らす鎌倉にそっくりでした。
浮気父の望郷の念をみた姉妹たち。彼の罪をなんとなく許す気になっていく。
でも、まだ許されてないものがいます。そうです、罪深き浮気の成果物の、すずちゃんです。
姉たちの気持ちも知らず、すずが、ここぞとばかりに
父親が愛した鎌倉に似た山と谷の風景に、咆哮する
。今まで大人の顔だったのに、一気にガラス細工のようにひ弱な子供の姿に戻る。
こりゃあ、ほっとくとすずは義母の脇腹に、出刃包丁つきたてるひも近い。
と、びびるお姉さんたち。勿論すずへの許しはコンプリートでした。
そして、そのすずちゃんを長女のさちねえが引き取ることを決断します。
さちは、しっかりもので有能な看護師、あだ名はシャチねえ。綾瀬はるかさんが、演じてる)
そして、その新しい妹が母親の違う個性豊かな姉たちとともに、悲しみや孤独を克服して、美しい湘南の街で元気になっていく。
物語の随所にでてくる鎌倉の風景がとても味があっていいです)。
とくにサッカーチームで知り合った純情な風太が、素敵だす。(三枚目だけど繊細で、すずの支えになる。)
風太との恋愛はとても可憐で、あたくしの40年間の月日で汚れきった心をじっくりと洗濯してくれました。