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蒼竜の側用人 37話のネタバレ
クライヴはユリウスを刺した剣を落とします。 すかさずそれを拾うルクル。 「クライヴさん、リーアさんのこと…
ちゃんと見てあげて下さい」
リーアは苦しそうに息を上げていました。
手を見ると竜へと戻りかけています。
「やだ！きれいじゃないの。見られたくない…」
泣くリーア。
クライヴは手袋を外してリーアの手を取ると自分の頬にその手を当てます。
「クライヴ…」 顔にもヒビが入るリーア。 「大丈夫、ちょっと休んだら、ちゃんと綺麗に戻るから。
だから…き…きらいにならないで…」
(自分は何を見てきたのだろう。 痛がっているのも苦しんでいるのもわかっていたはずなのに、どうして受け止められなかったんだろう)
リーアが人間の姿でいるのが幸せになる方法だと、クライヴはリーアの苦しみは見て見ぬふりをしていたのでした。
「ごめん…リーア…ごめんね」 リーアを抱きしめて泣くクライヴ。 「どんな姿だって関係ない。 大好きだよ、リーア。 もう自分の思いを押し付けたりしないから」
ルクル達を見たリーアはクライヴに訴えます。
「クライヴがこの国の本当の王様じゃないってみんなに伝えよう」
「ああ」
意を決したクライヴ。
「すまなかった。この国に生まれていれば違った方法を考えられていただろうか」
クライヴは民衆の前に立ち、 「私はこの国の王ではない」
と宣言します。
ユリウスに宿る”竜の力”はかつて共にいた最初の王のことを思い出します。 戦は嫌いだと泣いていた王。
(お前は優しいからいつも誰より傷ついて、そのたび強く平和を願った)
『平和で誰もが笑って生きられる、そういう国をここに作ろう』 (途方もない、なんという夢物語。
けれどお前の描いた夢を俺も見たいと思った。この国を守ろう。”約束だ”)
「そうだな……あいつも王としては完璧ではなかったかもしれない…
だが、多くの者に慕われていた…」
ユリウスの顔にあった模様が消えてしまいます。
「「返す」だと、勝手なやつだ。 心配をかけた…ルクル…」 「ユリウス、本当にユリウスなんですね」 「ああ」 「ユリウス！よかった…よかったです…！」
泣くルクルを抱きしめるユリウス。
直後、民衆が誰が王なのだと混乱を極めていました。 ルクルの手を握るりユリウス。 「体の中で眠っている間ずっと考えていた」
『ルクル、俺は……を……』
何事かルクルに決心を伝えるユリウス。 「ユリウスがそう決めたのなら、どんな道でも私は一緒に進みます」 ユリウスはルクルに出会えて本当に幸せだと思います。
一つ頼みがある、とユリウス。
「竜に聞いた。変身に必要なのは愛する者の血なのだと」
(その強い力がいっときの間、竜の呪いさえも上回る)
頷いたルクルの指先から血を飲むユリウス。
「行ってくる」
ユリウスは後ろ向きに身を投げ、落ちていきます。
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蒼竜の側用人 37話の感想
最終回まで残り3話となりました。
人間の姿であることに固執していたクライヴはリーアの苦しみに気づくことが出来ていませんでした。
改心したクライヴは王ではないと民衆に宣言します。
かつて共に過ごした王の事を思い出した竜の力はユリウスに身体を返します。
何かを決心したユリウスはルクルの血を貰うと屋上から身を投げました。
いったい何をするつもりなのでしょうか。
次号17号(8月5日発売)に続きます。
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