【無料記事】東南アジアで就職する「ゲンサイ」が増加 | イエロージャーナル

 外務省の統計によれば、タイに住む日本人がこの10年で倍以上に増えている。  タイ国内にある日本大使館や領事館に在留届を出している日本人の数は、2004年に約3万2000人だったのに対し、2014年には6万4000人を突破。タイはこの間、度重なる政変や暴動、大洪水に大津波、そして爆弾テロとさまざまな問題に見舞われたが、それでも在留邦人は増える一方なのだ。  実は、在留邦人の増加を支えたのが、現地採用でタイに住む日本人だ。社命で派遣された駐在員ではなく、現地で就職活動を行い、仕事を見つけた人々ということになる。  タイは日系製造業における、アジアの一大拠点だ。在住者だけでなく、出張で訪れる短期滞在者も少なくない。巨大で濃密な日本人社会が形成されている。つまり、就職先には事欠かないわけだ。 「タイ語学校で半年ほどタイ語をみっちり勉強して、その間、現地での生活に慣れて人間関係を築く。それから就職活動というパターンが多いですね」

 こう話すのは、バンコク郊外の工業団地で、IT関連企業に勤務する35歳の男性だ。進出間もない中小の日系工場を回り、生産管理システムなどの営業をしている。