「戦争前夜」「暗黒社会の幕開け」などと、野党や朝日、毎日といった左翼メディアが猛烈な反対キャンペーンを繰り広げた特定秘密保護法案。 だが国会で成立するや否や、あの狂乱を忘れ去って「秘密法」の「ひ」の字も口にしない野党と左翼メディア──その欺瞞に対する批判は、本稿とは関係ないため脇に置いておくが――その運用を巡り、左翼だけでなく右翼も予想しなかった、爆笑ものの異常事態が惹起しつつあるのをご存じだろうか。 おさらいしておけば、特定秘密保護法とは「特定秘密の保護に関する法律」が正式名称だ。対象は①防衛、②外交、③防諜、④テロの4分野。具体的には防衛機密や外交情報、警察の内部情報などが特定秘密の指定を受けることになる。
この法律の運用を担うのが、「情報監視審査会」だ。衆議院の公式サイトには、審査会の役割を次のように説明している。
<行政における特定秘密の保護に関する制度の運用を常時監視するため特定秘密の指定・解除及び適性評価の実施状況について調査を行うとともに、委員会等が行った特定秘密の提出要求に行政機関の長が応じなかった場合に、その判断の適否等について審査を行う機関です>
監視審査会は衆参両院に設置されている。議員名簿は下の通りとなる。各議員の細かな経歴もお伝えできるようにしてみた。
このメンバーで、「特定秘密に指定する必要があるかどうか」を議論、決定するわけだ。日本国の最重要機密に触れ、その上で熟慮を果たす。まさに「国家の番人」と形容するに相応しい重責を担うわけだ。 委員は8人。割り振りは各党の議席数に応じて決められる。衆議院が7人となっているのは、委員だった民主党の松本剛明氏が離党したためだ。
さて、以上を踏まえて頂き、参院の審査会に関して、特に自民党議員が頭を抱える「大問題」について見てみよう。
■―――――――――――――――――――― 【著者】下赤坂三郎 【購読記事の文字数】約2000字 【写真】日本共産党の志位和夫委員長 (同党の公式サイトより)
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