天堂家(てんどうけ)物語 4巻のネタバレと感想最新話や最新刊を無料で読む方法 | 漫画ネタバレ配信局～最新話や最新刊のマンガが無料で読める!!～

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天堂家物語最新刊4巻のネタバレ

第13話　宴のまえ

「真っさらな狂気で、今にも透けそうならんちゃんが、俺のそばで何色になるか、興味があるなぁ」鴉は、狂気じみた愛をらんに抱いていました。

どうやって雅人かららんを攫おうかと考え、鴉は気の向かない仕事にも取り組んでいました。

ここそこで不穏な空気が漂う中、観薔会が近づいてきました。らんは、立花に観薔会での立ち振る舞いを徹底されます。大奥様に無礼のないようにすること、薔薇園は広大なため迷子にならないようにすること、そして雅人のそばを絶対に離れないことをきつく言われます。

そして、雅人に何かあった時のためにらんの着物にいくつかの武器を仕込む戦略も立てました。

衣装の準備に立ち会った雅人は「触らないで」とらんに嫌がられ、つれない態度にイラッとしてしまいます。しかし、らんは「触られると顔があつくなるので嫌です」と素直に心のうちを明かしました。

色恋のことなどまるでわからぬ山猿のようならんに「そんな情緒があったとは」と雅人は、面白くなってらんに近づき、足を払って横倒しにし、上から覆い被ったのです。

「何故、顔があつくなるのか観薔会が終わったら、猿でもわかるように教えてやる。楽しみにしていろ」色気溢れる雅人に迫られて、「いいです。い、いらないです・・・！」

らんは高鳴る鼓動を持て余し、強く拒否します。

雅人がこうして心を開放してはしゃぐ姿など何年ぶりだろうと、立花はらんが雅人に与える影響力をしみじみと感じていました。

らんは、月夜を見上げながら、ふと思います。
少し前まではこの世になんの未練もなかったけれど、今はちょっと違うー。

雅人を守って死んで、じっちゃんのところに行けたなら、どんなに幸せだろう。
らんは、ただの「死にたがり」ではなくなっていたのでした。

第14話　狂宴(前編)

観薔会、当日ー。天堂家の双子の弟・周は、晶と同じ髪型のかつらをかぶって、晶になりすます準備を整えていました。髪型を揃えれば、背格好もほとんど同じ。2人は、うりふたつでした。

「二人で人を殺すのは、2度目ね。あんたとなら、何も怖くないわ」と晶は言いました。

雅人は、操の用意した貴人の軍服を着ました。らんは、上品な着物に身を包み、布を張って顔が見えないようにします。

立花は「雅人様をよろしくお願いします」と、らんに雅人を託しました。

雅人に言われたことは、「不審なものがいたら倒していい、偽物だとバレないよう気をつけろ」

ということだけ。

貴人は、雅人の父親。雅人に貴人の軍服を着せると、まるで本人のようでした。直人は悪趣味だと雅人を罵りましたが、操はまるで生き写しだと喜びました。そして、大奥様までもが「貴人、貴人！」と狂ったように雅人のことを貴人と呼びます。

誰もが雅人のことを貴人と呼ぶ、そんな異様な天堂家の中、雅人は黙って耐えていました。

大奥様に挨拶を終えて薔薇園を抜ける最中、雅人は蘭を抱き寄せ、狂った天堂家の歪んだ愛に心の均衡を保とうとしていました。しかし、らんの背中には雅人を守るために用意した武器がここそこに仕込まれていて、ずいぶん抱き心地が悪いと文句をつけました。いつも、断りもなく、雅人は好き勝手ばかりでずるいとらんが、言うと「お前も好きにすればいい」と雅人は言いました。いつも受け身ならんですが、そこで初めて雅人の背中に手を回します。

その行為に驚く雅人はらんを見つめました。耳まで真っ赤に染まっていましたが、布に覆われて顔を見ることはできませんでした。

観薔会が始りました。親族が集う中、らんは不審者がいないか、怪しいものがいないか、目を凝らしていました。そこに現れたのが漆黒の美女・晶でした。らんは晶のあまりの美しさに見惚れてしまいます。天堂家の血筋は、みんな美しいー。晶が奥に消えた瞬間、同じ美貌を持つ雅人のことを考えます。

すると、去ったはずの晶が再び目の前にいました。実は、それは晶の格好をした周でした。

周はらんの手を取って、薔薇園に誘い込みます。「素敵な扇子をお持ちね。ちょっと見せていただけないかしら」周はらんから扇子を拝借し、それを誤って井戸に落とします。「あ・・・」落ちていく扇子を井戸の上から覗く、らん。

その深さを推測していると背中を押され、らんは井戸の中に落とされてしまいました。

雅人は、座っていたはずのらんがいなくなったことに気づき、慌てて探しに向かいます。
しかし、その背後から鴉の影が迫っていました。

第15話　狂宴(後編)

らんは急いで懐から短剣を取り出して壁に刃物を突き立てて落下を防ぎ、壁をよじ登りました。
それを一部始終を見ていた周は、らんがただ者ではないことに気づきます。病弱で伏せてばかりいるはずの鳳城蘭ではない、ということも。

らんは、短刀を持って反撃に出ようと周に近づきました。
しかし、周は「俺には仲間がいる。俺を倒したら、お前が刺客だとバレて大騒ぎになるぞ」と、らんを脅します。

雅人のために偽物だとバラされては困ります。らんは、このことはお互いの秘密にしよう、と持ちかけました。

周は秘密を共有するために「おまえの素顔を見せろ」と言い、らんは約束を守るために素顔を周に見せました。

その時、母屋から悲鳴が上がります。
雅人の身に何かあったのかもしれない、とらんは急いで母屋に向かって走ります。しかし、走れど走れど行き止まりばかりで、らんは広大な薔薇園で迷子になっていました。

出口がわからず困っていたら、つい立の向こう側から声がしました。操の猫を殺してしまったと話をする子どもの声。それを賢いと褒める女の声。

それを聞いて、らんは鴉やタキが言っていた天堂家の悪い噂の本当の意味を理解したのです。

らんが雅人を見つけると、そこには鴉が銃を向けて立っていました。雅人を助けたいなら、らんちゃんが俺のものになれと交渉されます。らんはいいですよ、と答えた隙に手刀を投げて鴉と戦いました。軽快な身のこなしで鴉と戦い、最後は雅人が鴉に銃を突きつけたところで、鴉は敗北を認めます。しかし、それでもなお鴉を殺そうとする雅人の狂気に触れ、らんは体を張って鴉を守ります。「何をしている、どけ！」雅人が油断した隙に、鴉は剣を抜きました。「ダメ！」刹那、らんが雅人を庇います。「らん！」

鴉の刃は、雅人を庇ったらんに刺さりました。

雅人様のために死ねるなら、本望です。
ようやく、じっちゃんに会える。

雅人に最後の別れをする、らん。「おまえは、俺のものだ！俺の言うことだけ聞いていろ！」と雅人は悲痛な叫びを上げます。

そこに雅人の思いを感じながら、らんは意識を失いました。

下腹部を刺されたらんは一時的に意識を失いましたが、幸い傷は臓器にまで至らず、無事に目を覚まします。そこに、タキが現れました。心配して駆けつけたと話かけるタキでしたが、突然、「らん、あなたが鳳城蘭なの？私は違うと思ってる。存在自体は妙だけどおそらくは巻き込まれた無知な娘だと」「でも、あの方は処分せよ、と」タキは懐から短剣を取り出し、手負いのらんの首を狙います。友人だと思っていたタキは、実は離れの情報を知るために雇われた密偵でした。らんは、まさかタキが自分のことを殺そうとするとは、にわかに信じられません。タキが短剣をふりかざすと、雅人や立花がタキを殺めようと入ってきました。

タキは殺される前にその場で自害します。あまりのショックに呆然とする中、雅人はさらにらんに、こう告げます。

「もう少し役にたつかと思ったが、所詮ただの死にたがり」
「その体ではここにいては迷惑だ。出て行け、名無しの娘」

らんは傷も癒えないうちに天堂家を追い出されます。
それは、これ以上らんの命が狙われないようにするための雅人の配慮でしたが、その思いをらんは知る由もありませんでした。